CONCEPT 庭づくりのコンセプト

お客様の求める理想の庭を
お客様のニーズに合わせて仕立てます

私は視覚効果を利用した空間演出を得意とする、美術畑出身の造園家です。
日本の庭、欧米のガーデニングの演出効果も使います。
主に用いる材料は、1.施主の想い、2.限られた条件、3.樹木、石、土、水等です。
庭石や植木は、それ自体の価値よりもそれぞれが互いに響き合うベストな空間を生む事が最優先。
庭石や植木の「横顔」や「背中」を使います。つまり物同士の関係を構成します。
不要な物を撤去するだけの仕事もあります。目的は空間演出。
私は仕立て屋です。お客様の求める理想の環境をお客様のニーズにあわせて仕立てます。

こんな事を「お考え」のお客様に

イメージはあるけど具体的な方法が思い付かない…
外の空気を生活に取り入れたい…
室内の生活を外に広げたい…
窓の景色を額に入った一枚の絵のようにしたい…
乾いた雰囲気に潤いをもたせたい…
混み合っている空間をスッキリさせたい…
軽い雰囲気に重量感や渋さをもたせたい…
暗い雰囲気を明るくしたい…
真新しい感じを古くみせたい─
古くさい感じを明るくさわやかにしたい…
話しの分かる庭師を捜している…
変な庭を求めている…
(他人に話したら笑われると思って言えないような希望がある)
あえてごく普通の庭を求めている…
眺めていると閃きが生まれそうな庭を求めている…
庭に展示したいオブジェがある…

こんなことが「得意」です

◆どこにでも緑で覆う
◆狭いスペースを広く見せる
◆物と人のいい関係を築く
◆木や植物らの言葉を翻訳する
◆季節を売る
◆単純に高い場所、重い物、広い場所、沢山の物等ハードな条件での作業を請け負い、お客様のイメージを形にする
◆見ていたいものまたは環境を提供し、見たくない物を排除、見たくない環境を改善する

美術畑出身ならではのこんな考えも持っています。

美しい理由は対比

なぜ山や海へ行くと「美しい」と感じるのでしょうか。私たちは自然の風景を眺めながら、そこにもう一つ別の風景を重ねて観ているのです。音楽や絵画にも共通する事ですが、人は本来、潜在的に不動と安定を求めています。一定したリズム。バランスの安定した配色、配置の絵画。

しかし人は無意識に安定を求めつつも、もう一方で崩される事も求めています。つまり絶対安全の条件付きで不安にさせて欲しいと願っているのです。巧みに崩され、不安にさせられつつも見事な安定感の上に成り立っていると感じる瞬間、人は「美しい」と絶賛するのです。

つまり風景を美しいと感じるメカニズムには安定的風景(日常的風景)と眼前の不安定的風景を重ねた対比によるものなのです。

庭の設計に必要なものは物理的な空間の広さや材料自体の価値ではなく、「対比」であると思っています。柔らかさやさしさを表現するには対比する固さや鋭さをどう取り入れるか。奥深さを表現するには明るさを。広さを表現するには狭さを。というようにです。そしてそれらの対比が人の心に安定をもたらしつつ同時に良い意味で不安定を投げかけるのです。

庭の黄金比

単純に「美しい」と感じるバランスの裏には相似関係が存在すると思います。そしてフィボナッチ数列などの相似関係は自然のシステム。つまり美しいと感じる原因には自然の比率が隠されています。そしてその比率に従えば庭木の枝ぶりにも、庭園内の空間のバランスにも、もちろん見た目にも無理が無く、良い「安定」を提供します。下記に示す相似関係の例は、1:1.6という訳ではないが、相似という関係から、ある意味庭の黄金比と言えるのではないでしょうか。

しかし前記でも述べた様に、「安定」はそのまま「美しさ」にはなりません。つまりいかにして安定を崩し、不安を導きつつ最終的に安定に戻すかが重要なポイントと言えるのではないでしょうか。